プロ用工具を作らない。唯一の工具メーカー
ブラック・アンド・デッカーは、アメリカのDIY市場で6割のシェアを持つ。アメリカでは、ブラック・アンド・デッカーの製品がない家庭はないと言われるほどだ。その歴史は1916年まで遡り、これまでに数々の画期的な製品を生み出してきた。初めてハンディタイプの電動工具を作ったのも、ブラック・アンド・デッカーだ。20世紀中頃までは、工具と言えばボール盤のような据え置きの大型機械であり、同じストロークで同じ形状の物を作ることしかできなかった。それを、小型のピストル型にすることで現場での二次加工ができるようになった。ここから現在の電動工具の歴史は始まっている。1961年には、世界初のコードレスドリルを開発。71年にはNASA特注のコードレス掘削ドリルが、アポロ15号と共に月面に降り立ち、月のサンプル回収に使われている。