何がどう違うのか??
塗装用マスキングテープの種類
塗装用や養生用のマスキングテープには、貼る面の形状、状態、塗装の条件に合わせた種類があります。今まで、適当に安い物を選んでいた、好きな色を選んでいた、そもそも何も考えてなかったかも……という方は、用途で選びましょう。使い分けられたらDIY上級者かもしれません。
この記事を書いた人
伊串 明子 AKIKO IGUSHI
編集、ライティング、撮影、ノコギリ、塗装、ダメ出しを担当。工具と文具が好き。NTのA型カッターを偏愛している。特技は手ノコで構造用合板を1mm落とせること。あと、本や雑誌が作れる。
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作業面が高温になる場合はゴム系を避ける
マスキングテープの粘着剤には、ゴム系とアクリル系の2種があります。ゴム系は剥がしやすい長所があるものの熱に弱い短所があり、炎天下での長時間作業には不向きなので、万能選手のアクリル系が無難と言えます。
ただし、これがスッとわかる場所に書かれていません。たとえば、手元にあるスリーエムのマステの場合、製品パッケージにもAmazonの商品説明にも説明はありませんでした。メーカーサイトまで行かないと調べられないです。
ほとんどの製品がアクリル系になっていますし、炎天下でトタンを塗るような場合は念のため確認……と覚えておきましょう! -
色で区別はできない!
マスキングテープは、色付きが多いです。これは、剥がし残りがないよう目立つ色が採用されているためです。ただし、色に規格はなく、色で用途や性能はまったく区別されていません。同じメーカーの製品でもサイディング用に青もピンクもある、という状態です。
ネットには「青はだいたいシーリング用」とか「色によって粘着力が違う」とか「白はダメで黄色がいい」とかいう謎情報がありますが、そういうことではありません。
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粘着力は強ければいいわけではない
粘着力が弱いマスキングテープもありますが、それが悪いわけではありません。下地が弱い場合は粘着力の弱いマスキングテープの方が向いています。
たとえば、障子枠の赤杉のような柔らかい白木に粘着力の強い物を使うと、剥がした時に木部が傷んでしまいます。要は使い分けです。
用途ごとに種類があり、特性が違います。以下、用途ごとの違いをスリーエムのマスキングテープで解説します。
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建築塗装用
→テープが薄く、見切り線が見えるほどよい薄さでテープが透けるのでカッターを使ったマスキングのカットが容易。手で切れるのに縦に避けにくいという、ほどよい強度があります。また、柔軟性がありカーブも貼れる。
総合的にバランスがいいので、スリーエムのマスキングテープを一つだけ買うなら、最初のひとつはこれがおすすめ。
●スリーエム 塗装用 マスキングテープ 30mmX18m 4巻入り(537円)
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プロ用建築塗装用
→テープに塗料がくっつく上の建築塗装用テープの性能に加え、塗料がテープにくっつきます。塗装後にテープを剥がす時、粉になって飛び散りにくい。壁を塗り分ける時に、次の塗装面へと連続して作業するような時に便利。プロ向けの製品ですが、手が出ない価格ではないですし、Amazonで買えます。
●3M マスキングテープ 建築塗装用 EXPP 12mm幅x18m 10巻入(448円)
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ガラス・サッシ用
→多少湿っていても貼れる通常、どんなテープでも貼る面は乾燥していることが前提ですが、ガラス・サッシ用は多少の湿潤面なら貼れます。結露しやすいガラス窓、湿気がこもりやすいお風呂場の養生に便利。デコボコした型ガラスにも密着します。
伸びがあって曲線にも対応するもの、直線用と異なる製品があります。
●3M スコッチ シーリング・マスキングテープ ガラスサッシ 79S 24mmx18M 5巻(578円) -
コンクリート・タイル・パネル用
→強度が高く、凹凸面にも貼れる強度が高く、デコボコした面にも貼れる。強度は高くても糊残りが起きにくい。基剤に厚みがあり、直線向きなのでまっすぐ貼れる。つまりカーブを出すのにはあまり向いていません。躯体向きです。
●3M スコッチシーリングマスキングテープ コンクリート タイル パネル 4巻(1,203円)
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車両用
→伸びがよく、曲面が出しやすいよく伸びるのが特徴。自動車の車体のような曲面に馴染みます。薄くて重ね貼りしても浮きにくいという特徴もあるので、複雑なマスキングに適しています。
●3M マスキングテープ 車両用 183 40mm幅X18M巻 3巻(443円)
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サイディングボード用
→柔軟性があり、凹凸面に貼れる同じく凹凸面に貼れるコンクリート用と比べて、こちらの方が柔軟性があります。直線性があるのでまっすぐ貼れます。広い壁面塗装を想定した製品です。
同じサイディングボード用でも、超粗面用もあります。
●3Mスコッチ マスキングテープ サイディングボード 80 6巻(482円)
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マステ多すぎ!
わかりにくいので事前に調べておくスリーエムのサイトの「マスキングテープ」のページには、現在97製品が掲載されています。1本単位、数本パック、箱入りなどのパッケージ違いも膨大。製品パッケージに「○○用」と書かれていない万能タイプもあり、店頭で混乱することも……。
マスキングテープを選ぶ時は「○○用」をあらかじめ決めておかないと途方に暮れます。木工DIYの塗装なら、「建築塗装用」でOKです! -
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