レザーバッグをクラフト染料で黒く染め直してリペア(大成功!)
革は経年変化も味ですが、激しい色落ちはあまり見た目がよくありません。そんな時は、染め直してリペアしましょう!購入したのは、染料660円と、コート剤806円のみ。
エルメスのバッグ修理をしている専門業者も、だいたいこれと同じ工程だそうです。ぜひトライしてみてください。
この記事を書いた人
伊串 明子 AKIKO IGUSHI
編集、ライティング、撮影、ノコギリ、塗装、ダメ出しを担当。工具と文具が好き。NTのA型カッターを偏愛している。特技は手ノコで構造用合板を1mm落とせること。あと、本や雑誌が作れる。
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このバッグをリペアします
スーパーに行く時に毎日使っているもの。2000年頃に、新品未使用をヤフオクにて1,000円で買いました。箪笥のこやし期間があるので実際の使用年数は10年程度。素材はおそらく牛革です。
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細部の状態
自転車のカゴに入れるので、全体的に傷と色落ちがあります。角はほぼ色が残っていません。
20年間ノーメンテでした。使い方が悪いとこうなるという見本!
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ブラシで汚れを落とす
ブラシで軽く擦って隙間に詰まった埃や砂を払います。
靴用のブラシでかまいません。豚毛ブラシを使うのが一般的ですが、なければ歯ブラシでもOK。 -
クリーナーは使いませんでした
表面に汚れが付いている場合は、水拭きか、無水エタノールか、界面活性剤タイプのクリーナーを使ってください。油脂性のクリーナークリームを使うと、このあとの染料が入りにくくなります。
なお、ポケットの内側に残った元の色はこんな赤でした〜。
●建栄製薬 無水エタノール500ml(1,225円)
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ペーパーで軽く足つけする
400番のペーパーで、優しく全体を均します。目的の1つは、深い傷を目立たなくすること。次に、足つけです。この後に染料を入れるので、入りが均等になるよう細かな傷を付けます。
私がよく買う紙やすりはこれです。安くて高品質。耐水性があるので木工以外にも使え、たっぷり入っているのでケチらず使えます。おすすめです。
●ネセクト 紙やすり#60~#1,000 9種36枚(1,000円)
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やすり完了
傷はもっと削りたくなりますが、深追いしないのがコツらしいです。磨きすぎると革の質感が損なわれるため。
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使用する染料
レザーの染色専用の「クラフト染料」を使用します。100ccで1.8㎡を染めることができます。豊富なカラバリがあり、調色可能。
色を再現できる自信がないので、黒を選びました。塗りつぶす作戦です。ファスナーが赤なのでツートンになっちゃいますが、ルブタンみたいに見えなくもないだろう!
●クラフト社 クラフト染料 黒100cc(660円)
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全体を水で湿らせる
濡らしたウエスで、色が変わるまで全体を拭きます。染料を浸透しやすくするため。また、浸透するスピードを調整して色ムラを防ぐためです。
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染料を水で希釈する
水で5~10倍に希釈して塗布します。明るい色に染めたい場合は、薄めに作って何度か重ねると、好みの色にしやすいです。私は真っ黒に塗りつぶしたいので、5倍希釈で行いました。
お豆腐のパックはこういう時いつも便利。 -
染料を手早く塗る
刷毛で塗布します。手が染まるので手袋推奨。
さらさらなので、たっぷり付けると垂れます。
これは付けすぎですね。 -
2〜3回繰り返して色を濃くする
金具はマスキングしてもいいですが、付いてしまってもエタノールを付けた綿棒で落とせるのでそのままやってます。ただしファスナーには付かないように。細部は細い筆を使用しました。
ポケットの内側は、どうせ見えないので攻めませんでした。ほどほどで。 -
かなり、いい感じだ
表面が劣化した部分はすんなり色が入りますが、光沢が残っている部分は入りにくかったです。赤が透けている部分はさらに重ねて塗りました。色を塗り替える場合、成功するかどうかは革の劣化具合によりそう。
あと、当たり前ですが塗り替える時は下地より濃い色を選んでくださいね。黒が赤にはなりません。
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二日陰干しで乾燥させる
プロのバッグ修理動画を見て研究したのですが、この乾燥が重要らしいです。成果を急がないこと!!
カーテンレールに丸二日吊しておきました。
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コート剤
そのままだと色落ちするので、コート剤を塗ります。
これもクラフト社のもの。ツヤありとマットの2種があります。ちょっと安かったのでマットを購入しました。
●クラフト社レザーコートマット 100ml 806円
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コート剤を2回塗布
コート剤の成分はアクリル樹脂。あまり厚塗りすると革の質感が損なわれるので、薄く塗ります。
よく混ぜてから刷毛で塗布。30分置いて、もう一度塗りました。意外と伸びが良く、ほんの少量で足りました。このサイズのバッグなら、20個は塗れそう。
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乾燥一日。柔らかく仕上がっている
コート剤は、塗って5分ほどで表面を触れる程度まで乾くので扱いやすいです。完全乾燥には一日必要。
樹脂を塗っても革の柔らかさは残っています。優秀ですね!
マットを使用していますが、完全につや消しではなく、ほんのり光沢があります。
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オイルは不要そう
革が硬くなっている場合は、柔軟性を取り戻すためにミンクオイルなどの油脂を補充してください。靴磨きと同じ要領で、オイルを薄く伸ばしてから乾拭きします。樹脂でコートしていると言っても、エナメルのように膜があるわけではないのでオイルは入ります。
私のバッグは柔らかいので、オイル磨きはしませんでした。
●Tarrago ミンクオイル 100ml(880円)
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ビフォー
このくたびれ具合も気に入ってましたが、やっぱりヨレヨレ感が強いです。
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アフター
ピカピカで、傷も目立ちません。そして、何となくレディな雰囲気に!
一度湿らせたせいかコート剤のおかげか、紐も立ち上がり、形状もパリっとしました。中に詰め物はしていません。
1,496円で復活するなら、安いもんです。しかもこの作業やってる間、ずーっと楽しかったです。満足満足。
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色落ちテスト
湿らせたウエスで表面をゴシゴシ擦ってみました。色は落ちません。素晴らしい!
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しばらく使ってレビュー追加します
リペア直後にピカピカな絵はいくらでも作れます。数か月で色落ちするようじゃ実用に供さない。大事なのはどれくらい持つか。
このバッグは本当に毎日使っているので、半年後、一年後に再びレビューを追加予定です!
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